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YouTubeにおける演奏動画について

音楽学部 音楽学科 音楽デザイン専修 1631056 八木 陽哉


はじめに

今回私が取り上げる題材はYouTubeの演奏動画における視聴者の傾向、ニーズについてである。私は大学四年間にYouTubeに自分の演奏動画を不定期で上げていたのだが、その活動の中で感じた視聴回数が伸びた動画の傾向、視聴者のニーズについてを今回自分の意見を踏まえてまとめていこうと思う。この論文を通して自分の経験を述べることで今後YouTubeというコンテンツに参入しようとしている人の手助けになれば幸いだ。

概要

私が大学四年間に実際にアップロードした動画の中から再生回数の伸びた動画、あまり伸びなかった動画(A)(B)を取り上げ比較しながら再生回数の伸びた動画の特徴を実際の経験を踏まえてまとめた。

研究課題

私が今回取り上げるのは、動画サイトYoutubeにおけるコンテンツの一つである既存の楽曲を演奏するいわゆる『弾いてみた動画』についてである。
私はこの大学四年間にこの弾いてみた動画を数十本アップロードしてきたのだが、その中で動画の視聴回数が曲によって明らかに違うことに違和感を持った。最初はたまたまだろうと感じていたがだんだんと伸びている動画にある共通点が存在することに気づいた。今回はその共通点について仮説と実際の経験をもとにまとめていこうと思う。

仮説


           SIM KILLING ME(A)                 夕闇に誘いし漆黒の天使達 超次元お助けアンドロイド(B)

まずあまり伸びなかった楽曲(A)だがこれは今の日本の音楽シーンで非常に人気のあるロックバンドの楽曲である。そしてもう一つは現在Youtube上に動画をアップロードしているYoutuberのバンドの楽曲(B)であり世間的に見ればあまり有名な楽曲とは言えないものである。
この比較だけで見ると一見、一つ目に述べた楽曲のほうが人気が出ると思いがちだが結果はその逆なのである。
まず、この二曲に演奏の録音、撮影方法などの違いはなく機材もすべて同じものを使用して動画制作を行った。(A)の演奏動画をを先にアップロードし(B)の楽曲の動画はその1週間後に上げた。するとすぐに(B)の再生回数が(A)を超えて伸びていきその差は見るたびに開いていったのである。
では、なぜこのような結果が生まれるのか。まず誰もが知っているような人気楽曲はすでにたくさんの演奏動画が上がっている場合が多い。どれだけ完璧な演奏で すごい編集をしていても伸び悩んでしまうのではないだろうか。これは一概には言えないが大半の結果がこれであると考えられる。
おそらく単純に他の動画に埋もれてしまうのが原因だろう。YouTubeでは人気な動画が検索上位に引っかかるためたくさんある中で新しいものをアップロードしたところで視聴者はそれにたどり着く前に満足してしまうのである。
「たったこれだけの違い?」と思うかもしれないが、まさにこれが動画が伸びなかった原因の一つであり、もう一方の楽曲が伸びた理由であると私は考えた。(B)の楽曲は演奏動画がまだアップロードされておらず私が一番最初に動画を上げることができた。するとどうだろうか先ほどの結果と同じように今まで伸び悩んでいた動画と比べ再生される回数が段違いに増えた。
これに気づき、他の楽曲でも試したところかなりの確率で再生数を獲得することができた。そのような楽曲があるのかと疑問に感じる人もいると思うが探してみると以外にもたくさん存在するということが分かるだろう。
そのような楽曲を見つけ、高い完成度の動画をアップロードすることができればただ有名であるという楽曲選びをしたときに比べ、結果は全く別物になるいえるだろう。
もちろんそれに加えてきちんとした演奏ができているなどの条件もこの演奏動画というコンテンツには必要になってくるがまずはその動画にきちんと視聴者がたどり着くということが大前提として必要不可欠なのである。

結論

ここまで様々なことを述べてきたがこれをまとめると、自分があげる演奏動画に対しての視聴者のニーズの割合をきちんと理解し把握することがこの『弾いてみた動画』で人気を伸ばす秘訣といえるだろう。
これからも様々なアーティストから楽曲が発表されていくその中でこれを読んで挑戦したいと思っていただけたあなたがいるのなら是非今回述べた方法で挑戦してほしいと心より願っている。