- 卒業研究 -


音楽学部 音楽学科 音楽デザイン専修 学籍番号1631046 小川雄大


-自己紹介-

私は、このサイトのテーマでもあるバンド、『Yellow teller』のドラムを担当している。
初めはバンド活動と大学の講義で学んだ事の繋がりや、曲作りの工程で大事にすべき事等を書く予定だったが、やはりここでは、4年間の相棒として酷使し続けたGarageBand(iPhone無料)での打ち込みに関する私なりのノウハウを加えながら、メリットデメリットについて考察する。
私は、GarageBandさえあれば曲は完成させられると考えている。
手軽に作曲したい、始めてみたいという方や、無料と有料のDAWは何がどう違うのかと気になる方は是非参考にしてほしい。




-GarageBandについて-

GarageBandとは、アップルが開発販売するmacOS/iOS用の音楽制作ソフトウェアである。今回はiOSに絞って考察する。
iPhoneを購入したらすでに入っていたという方も多いのではないだろうか。
GarageBandのメリットと言えばまず、その手軽さである。
作曲において手軽さは非常に重要な要素である。アイデアはふとした時に降りてきて、気づいたときには消えている。
思いついた時に即座にiPhoneを開き形として残すことができるのは、それだけで価値がある。
実際私が制作した楽曲を使って解説する。




-制作手順-

私は、コード進行かドラムのビートから考える事が多いので、今回はコード進行決めから始めた。

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クラシカルな雰囲気を取り入れたかったので、ストリングスを基盤にし、ピアノサウンドも付け加えた。
GarageBandのピアノの音は個人的にかなり気に入っている。
私は打ち込みの際、まず最初にGarageBand上の鍵盤を使い直接メトロノームに合わせて録音していく。その後微調整をしていく。
その時の細かいニュアンスも拾っていくとリアルなサウンドになる。
iPhoneから直感的に打ち込む事が出来るのも、GarageBandの強みだろう。

ピアノサンプル

ストリングスサンプル


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そしてベースとドラムを入力する。ドラムは基本的に全て分離させて、バランスを取りやすくしている。

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こちらも直接演奏し入力していく。
しかし、どのバスドラムの音もしっくりこない。基本的にどのドラムセットのサウンドも残念ながら迫力に欠ける。
その上、MIXをすること自体が難しい。これ以上加工、編集する事も出来無かった為、仕方なく他のバスドラムを重ねることでよってそれらしい音色に変化させた。
これは無料が故のデメリットである。手軽だが、深く追及するとむしろ時間がかかる。

バスドラムサンプル(単体)

バスドラムサンプル(重ね)


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最後にメロディを打ち込んでいたのだが、トラック数に制限があり、それ以上入力出来なかった。
増やしすぎたつもりはないが、仕方なく別トラックを削って収めた。

そして、満足行くMIXが出来そうにも無かったので、寺田先生にパラデータで送りMIXをお願いしようとしたら、なんとGarageBand(iOS)ではパラでの書き出しが出来なかった。
量子化bit数も16bitまでしかないことも後から分かった。
この後、新名先生のmacで書き出し、自宅でのやり直しを繰り返し、ようやく完成した。




-結論-

DAWは、無料版には制限があり、有料版の価値を改めて知った。
正確には、求められる作業が問題なく進められるだけの機能は最低限必要だという事である。
もちろんGarageBandで完結できる人はそれでかまわないが、少しでも足りないと感じる部分があるなら、変に慣れてしまって替え時を失ってしまう前に購入する事を勧める。
お金を使いたくないと思うあまり、大切な時間を失った。
無料で抑えたい人もせめてMacと併用か、上位グレードのLogic Pro X(24000円)を購入すると、楽曲制作がより捗ると考える。