#11『菊花火 - KIKUHANABI』



夜に沈む月の ほとりをうかがう鼓動



また出逢えるなら 花火の音に乗せて Ah



浴衣に残る夏の夜 二人並んだ 噤んだまんま

すくわれても救いはないこと 鯉の背中 水面揺らす



思い出す 熱 寄り添う 袖触れた手を

連れて行っておくれよ 連れて行っておくれよ

と泣き叫んで



花火が弾けて 夜に弾けて 貴方と頬を寄せ合う夏

貴方にまみれて 花火は咲いていて 僕の鼓動 走る 走る

夜に弾けて 貴方の手握り たくて伸ばした手を

花火がさらう 波の音さらう 触れた手さらう

夜 会いたい。



鼻緒が切れたのを治すくらいなら

何も怖がることすらなかった

想いを口に出せば 何かを失いそうな気がして



今気付いた 遅すぎたのかな 貴方の隠した言葉 ずっと知りたくて



花火が咲いて 夜に咲いて 乱れた髪には風も映えなくていい

花火が咲いて 夜に今咲いて あの時有耶無耶にしてた応えのこと

花火が鳴いて 夜に今鳴いて おどける君の頬を

撫でおろす右の甲 僕のことを 隠してくれよ



花火が今咲いて また散って欠いて 繋ぐ二人の想いをきっと

見つめる 夜 夜を照らすから




音源2021