#50『おもちゃの臓物 - Toys offal』



さよなら

私がいなくても

空は晴れるから

それが言いたかった



そんなに

曇った顔で

私を覗くから

それがつらかった



その顔が髪が声が

残ってしまわぬよう



どんなに小さな身体でも

君を救うには十分過ぎたよ

こんなに小さな心でも

君の痛みくらい分かっている

はず



見たことないその素振りで

私の心を抉る君の言葉は

あまりに綺麗だと思う

それが怖かった



からかうような君の声が

酷く残っている



どんなに小さな言葉でも

君が歌うには十分過ぎたよ

こんなに小さな心でも

君は掴んだまま離しはしない



明けない夜を探していた

冷たい朝が溶かしきれぬような

永遠は無いとおどけるような

君が怖くて 君が怖くて



どんなに僕が弱くても

君と同じ言葉を知らなくても

それ以上に君が強くても

君の痛みくらい分かっている

それすら優しい嘘だと知っている