#7『池汀 - Chitei』



冷たい傷の傍から 思い出した走馬灯

行方を描く君の 頬をかすめて 悩んでしまう夏



もう何にも無いと 言い切るのは僕の方言

波も音を立てまいと 静けさ纏って沈んでいくんだ



荒んでいくんだ 生きるということ

暮れてゆくのは 怖いままで



風の運んだ朝 行方は何処へ

宙に舞って 無垢に鳴いて 新たな夜明けを待って

日照り降り積もるこの花のように

粉雪をさらうこの川のように



貴方のこと探す僕の体

宙に舞って 無垢に泣いて あからさまでも笑って

あの夕凪が見せた色のように あの川に絡めた愛のように



痛い傷の中から そびえ出した走馬灯

行方を阻む君の 頬をかすめて 悩んで抱え込んだ



もう何にも無いと 増えすぎたもの

深い妄想 何もない場所 温もり纏って沈んでいくんだ



風の運んだ朝 行方は何処へ

宙に舞って 無垢に鳴いて 新たな夜明けを待って

いつまでも積もるこの花のように

この雪をさらうこの川のように



貴方のこと探す僕の身体

宙に舞って 無垢に泣いて あからさまでも笑って

あの夕凪憶う街路のように あの川に絡めた愛のように



いつか君が落とした この髪飾りさえ返せたらそれでいいから



風の運んだ朝 行方は何処へ

宙に舞って 無垢に鳴いて 新たな夜明けを待って

直に降り積もるこの花のように

あの雪をさらうこの川のように

貴方のこと探す僕の身体

宙に舞って 無垢に泣いて あからさまでも笑って

あの夕凪が見せた色のように

あの川に絡めた愛のように



痛い傷を抱えて 君を探す 僕だ




音源2021