INTERVIEW

さとうもか

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さとうもか インタビュー

2017年10月16日、学内スタジオで、タワレコ新レーベル「Here, play pop! Record Label」から全国流通盤「THE WONDERFUL VOYAGE」をリリースした音デ9期生「さとうもか」さんにインタビューしました。
シンガーソングライターとして活躍する彼女ですが、柔らかい物腰でフランクにインタビューに応えてくれ、学生達も楽しい時間を過ごしました。

インタビュアー:音デ11期生 金田 正弘(カネマサ)

Q

(カネマサ)
オリジナル曲を作ろうと思ったきっかけはなんですか?

A

(もかさん)
歌うためには作ったほうがいいかな、というのがひとつ。それに自分で作ったら好きなように作れるしって感じかな?(笑)

Q

(カネマサ)
前から歌うことが好きでって感じですか?

A

(もかさん)
そうですね!

Q

(カネマサ)
「さとうもか」という名前で活動されていますが、由来を教えてもらえますか?

A

(もかさん)
小学校ぐらいの時から音楽をしたい、歌手になりたいと思ってて、その時はバンドでの活動を考えてたんです。 その時に考えた名前が「もかれもん」で、それから取って苗字と合わせて付けました。

Q

(カネマサ)
なんで「もか」なんですか?

A

(もかさん)
響きがいいから(笑)別にモカ好きとかではないけど。

Q

(カネマサ)
本名じゃダメ?

A

(もかさん)
知らない人に名前とか、あんまり・・・(笑)

Q

(カネマサ)
ずっと「さとうもか」本名だと思ってました。

A

(もかさん)
違うんよ、実は(笑)みんなに言われるけど。

Q

(カネマサ)
城下公会堂でライブをするようになったきっかけはなんですか?

A

(もかさん)
知り合いの人が ブッキング に呼んでくれて、一度出演したら城下公会堂の人たちに「いいね」って言ってもらえて、ライブに誘ってもらえるようになって。
そこのカフェの人たちとバンド編成でやるようになって、今は月に一回ぐらいやるようになりました。

Q

(カネマサ)
城下公会堂の企画は何回やるか決まっていましたか?

A

(もかさん)
今年一年は毎月しよう、みたいな感じ。
一年頑張って続ければ成長できるよって言われました。12月のライブが最後の一回なんで・・・来てください!(笑)

Q

(カネマサ)
城下公会堂の他に自主企画などは?

A

(もかさん)
シンフォニーホール近くの禁酒会館で、アクセサリー作家の人と「個展とライブの会」みたいなやつを出しました。

Q

(カネマサ)
どんな思いをこめて曲を作っていますか?

A

(もかさん)
全体を通しては、もやもやしたことを書いておこう、って感じで。ネガティブなことを題材にした方が書きやすいですね(笑)
最近やっとポジティブな曲を作れるようになりました(笑)

Q

(カネマサ)
作詞されるとき、嫌なことがあったら書き留めたり?

A

(もかさん)
嫌なことがなくても嫌なことを探してます(笑)答えは探していないけど、永遠に考え事をしているみたいな感じ。ずっと働きながら考えて、良い言い回しが出来たらそれをメモする。ツイッターにモヤモヤした事を書いたりするけど、やっぱ投稿するべき内容じゃないな、とか思って下書きに残したままにして、歌詞に出来るかな、みたいなこともやってます。

Q

(カネマサ)
思いついたときに書き溜めて、曲を作るときにそれを見ながら?

A

(もかさん)
そうそう。

Q

(カネマサ)
じゃあ詩が先?

A

(もかさん)
んー、でもメロディーが出来て、作っている歌詞や言葉を思い出したり並べたりして作っていくので・・・特にどっちが先!とかはないかな。

Q

(カネマサ)
「THE WONDERFUL VOYAGE」の曲はどんな思いを込めて作曲しましたか?

A

(もかさん)
じゃ、順番に。

はつ恋のテーマ
友達がやっている服のブランド名が「はつ恋」で、そのテーマソングを勝手に作った感じです(笑)

左耳のネコ
初めてもらったピアス・・・でもこれ、実話じゃないんですよ。ネコのピアスっていうのはお母さんからもらったんですけど(笑)
ピアスは指輪よりも近しいというイメージがあって、ピアスの曲を作ろうという気持ちになって作りました。

Girl of 31!
30代ぐらいの人で、彼氏いなくて周りが結婚していって焦るけど、人生最高!でもやっぱり悲しい・・・みたいな(笑)

Mr. Pretz
一番好きな曲です。朝方まで映画を見ていて、その映画はあんまり面白くなかったんだけど、使われていた曲が良くて。
止めてからパッとつけた瞬間に同じ曲じゃないように聴こえる瞬間みたいなのがあって、その瞬間のメロディーからひらめいて、朝にパーっと作った曲です。
この曲の歌詞が一番気に入っています。「季節は本で繋ぐだけさ♪」という言葉が好きです。
季節の変わり目って人間壊れがち(笑)それをみんな何かに没頭して(季節を)通り過ぎようとする、みたいな感じです。

髪のワルツ
髪がどんどん伸びてきて、簡単に切ってしまうけど、ずっとその髪は一緒に過ごしてきて全部の思い出を知っているのに、そんな簡単に切っちゃうんだ・・・みたいな気持ちになって作りました。

Trouble
私の恋人が当時、テキトーな人で。振り回されているという気持ちがありつつ、好きでした、みたいな(笑) そんな気持ちを書きました。 セーター 大学2年生の時の学園祭の次の日に着ていたセーターの事です。 セーターの話は曲中に出ないんですけど、その日にあった思い出、めっちゃ普通の事だけど忘れたくないというような気持ちで作りました。

Q

(カネマサ)
曲やメロディーにどんな気持ちをこめていますか?

A

(もかさん)
メロディーは特に思いはないな。良い音を探す、そして合う歌詞をつける。

Q

(カネマサ)
「WONDERFUL VOYAGE」という曲がありますが、なぜアルバムには入っていないのですか?

A

(もかさん)
アルバムを作ったあとに作った曲だからです。アルバムに入れたかった・・・(笑)次のアルバムに入れるかも。

Q

(カネマサ)
アルバム名が気に入ったから曲名にもしたんですか?

A

(もかさん)
そういうわけではないです。1stアルバムっていうのが自分の夢だったから、大切でやっと作れたという気持ちがあって。
そのアルバムへの思いがあったから「WONDERFUL VOYAGE」という曲名をつけました。

Q

(カネマサ)
アルバムに対する曲ということですか

A

(もかさん)
うん、そうやな(笑)

Q

(カネマサ)
次アルバムが出来たらまたそのアルバムに対しての曲が・・・?(笑)アンサーソングみたいな。

A

(もかさん)
ほんまやな。作ろっ!

Q

(カネマサ)
アルバムのジャケットの頭に魚が乗ってるのはなんでですか?

A

(もかさん)
あれは、なんだろ。ねこさかな生物?
半魚猫みたいな生き物で、猫の頭に魚が付着してて。一心同体みたいな。
これ全然そんなつもりなかったのに、レコーディング中に携帯のアプリでテキトーに描いたら「これいいじゃん」って言われてジャケットに。
・・・「ねこさかな生物」って響き、いいな(笑)

Q

(カネマサ)
次にアルバムが出る予定は?

A

(もかさん)
あるんよ、それが。
12月までに録り終えたい、という感じです。

Q

(カネマサ)
次作のレーベルは、どこから?

A

(もかさん)
入江陽さんというアーティストが作ったレーベル(MARUTENN BOOKS)から出してもらうことになりました。既に録り始めています。
今回は自分で宅録でやって、 ミックス と マスタリング だけお願いする感じ。
歌詞も作って、音もキーボードでほとんど入れる、みたいな感じです。

Q

(カネマサ)
曲作りをしていて行き詰まることがありますか?

A

(もかさん)
あるある!

Q

(カネマサ)
そのリフレッシュ方法は何ですか?

A

(もかさん)
行き詰まったら、とことん萎える。もう音楽やめようって気持ちまで行って、これじゃあダメだと自分に言い聞かせて、ギター触って延々弾き続けて。
良いフレーズが出たらそこで元気に戻る!(笑)
特にリフレッシュ方法はないかな。

Q

(カネマサ)
結構ストイックですね。

A

(もかさん)
趣味があんまりないんよな。

Q

(カネマサ)
休日は何をしているんですか?

A

(もかさん)
休日は・・・何しとるかな。家で漫画みたり映画みたり、曲を作ったり。
映画は途中ですぐやめたり、あんまりテレビとかに時間を左右されたくない感じがあって、漫画は好きな時にやめられるから良いんじゃけど。
まあ映画もやめれるけど(笑)

Q

(カネマサ)
これまでの活動で手応えを感じたときは?

A

(もかさん)
曲とかを褒められたとき。あと自分でサイコーっておもえる曲ができた瞬間が一番嬉しい。 お客さんが感動して泣いてくれたときはよっしゃ!ってなりますね。

Q

(カネマサ)
思い入れのある時期、作品、エピソードは?

A

(もかさん)
「最低の日曜日」という曲ですね。作陽を卒業したときに作った曲で、恋人と別れそうなときで。
今までのことを振り返って、こんなに一緒に居たつもりだったけど、全然わかってなかったし、自分の持ってる物が相手と全然合ってないような気持ちになって。 しかもエイプリルフールに別れそうになって。嘘ってなんなんだろう、嘘じゃないけど嘘の行き場がないなって気持ちになって。暗い?・・・引くよな(笑) ポジティブなほうだと、一番最近作った曲。 来年の春とかに最悪な別れが待ってることが微妙に判明して、もう毎日つまらんわって。 音楽も、曲を良いと言ってくれてる人も、自分から見えてる世界だと結構いるけど、よくよく考えたら実は本当に一部だなって考えたら何かを犠牲にして音楽をすることの意味みたいなものを考えて。 でも音楽好きだし、幸せになることが人生の目標だなってポジティブに考えることにして。未来とか、まだ何もわからんし、だから楽しいし。

Q

(カネマサ)
魅せ方で気をつけていることはなんですか?

A

(もかさん)
結構精いっぱいであんまり気にできない瞬間は多いんですけど。きっちり合わせるよりも聴かせたいところはテンポを落として聞かせたり。
リタルダント (笑)

Q

(全員)
おー!専門用語!

A

(もかさん)
自分が聴いて、気持ち良さそうに歌う!

Q

(カネマサ)
自分で考える自分らしさは?

A

(もかさん)
なにもぶらないこと。プロっぽくも初心者っぽくもしない。ありのままの自分で、緊張してたら緊張したまま演奏すること。うそをつかないようにしてます。

Q

(カネマサ)
作陽に入学しようとしたきっかけはなんですか?

A

(もかさん)
高校も音楽科のようなところに通ってて、音大に行こうと思ってました。 高校はサックス専攻で入っていたけど、一年生の頃からサックスは好きじゃないかもと思っていて。 ずっと歌手になりたいという夢を持っていたので、軽音楽部をつくってずっとそっちばっかやってました。ボーカルのレッスンに行くためにバイトもしていました。 それから大学進学の時、県外の音大にポップス科があることを知って、オープンキャンパスに行ってみたけど思っていたのと違って、自分と方針が違っているなと感じて。 迷っていたときサックスの先生が作陽にも音楽科があることを教えてくれて。 オープンキャンパスで新名先生に会って、話を聞いたら自由に音楽を学べそうな感じがしたんです。 新名先生が自分と合ってるなと思って。そこが決め手で作陽に決めました。新名先生に会わなかったら作陽に行ってなかったかも(笑)

Q

(カネマサ)
作陽に入学してよかったことは?

A

(もかさん)
寺田先生と出会えたこと。それがやっぱり一番ですね。
あとは音楽仲間と出会えたこと。クラスの中に音楽に詳しい人とかたくさん居て、色々教えてもらえたのがよかった。

Q

(カネマサ)
一番楽しかった授業は?

A

(もかさん)
バンドサウンド演習とビジュアルデザイン演習。動画を撮ったりするのも楽しかった。

Q

(カネマサ)
寺田先生との出会いで変わったことは何ですか?

A

(もかさん)
CDが出せるようになったこと、ですかね。歌が上手くなった。ここをこうした方がいいよ、とかアドバイスをもらったり。
あと、ライブで東京に行くときは毎回来てくれて、「今日のライブはどうだった」とか反省したり、曲順の流れなんかもアドバイスもらったりして、あーなるほど!って感じでした。

Q

(カネマサ)
もし寺田先生と出会えてなかったら、CD出してたと思いますか?

A

(もかさん)
寺田先生とCDを作ろうってなった時に、タワーレコードからもCDを作ろう、と言ってもらってたので、そっちで出していたかもしれない。
でも、寺田先生は親身になってくれて、とても優しくて、一緒に作れてよかったです。

Q

(カネマサ)
音デならではのことは何かありますか?

A

(もかさん)
授業は、多分、卒業してから必要になることがたくさんあるから、それを在学中に気付いて、サボらないようにした方がいいです。

Q

(カネマサ)
大学の授業、今になって必要ですか?

A

(もかさん)
はい。やっとけば良かったと思うことが結構あって、今勉強をし直してるところもあったり。 でもまあ、音デに行ってなかったらそれも分かってなかったかもしれないから、大切な経験だったな、と思います。

Q

(カネマサ)
それじゃあ、今後の目標を教えてください。

A

(もかさん)
近い目標だと、CDを完成させてリリースして、もっといろんな人に広めることです。
夢は、映画音楽を作ることで、一つの映画の全部の音楽を作ってみたい、っていうのが野望としてあります(笑)

Q

(カネマサ)
音デ生に向けて、最後に一言お願いします!

A

(もかさん)
みんなと色んな音楽の話をしたらいいと思います。あと、曲を作ったら、先生も勿論、色んな人に絶対聞いてもらったほうがいい。
そしてネットにどんどん上げた方がいいと思います。

Q

一同)
僕たちのコンピアルバムの曲、聴いてもらえますか?

A

(もかさん)
あ、聴きたい!(視聴)
・・・この曲、ヴォーカルあった方がいいんじゃないかな?

Q

(あおっち)
そうなんですけど、歌い手が居なくて。

A

(もかさん)
じゃ、私歌おうか?

Q

(あおっち)
マジですか?ありがとうございます!歌詞書きます!

A

(もかさん)
スケジュール合わせてくれたら来るよ!

・・ということで、もかさんがヴォーカルを引き受けて下さいました。
その後、もかさんの最新曲をピアノの弾き語りで聴かせて頂き、とても楽しいインタビューになりました。

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